仙石線・東北本線接続線新設

線路メンテナンスの仕事

世界一時間に正確で、世界一安全といわれている日本の鉄道。その鉄道の安全を守っているのが私たちの仕事です。鉄道は、通勤、通学、その他様々な場面で利用されています。私たちは、利用されるお客様が安心して目的地まで辿り着けるよう、列車と列車の合間の限られた時間の中で、線路のメンテナンス工事を日々行っています。

線路構造について

線路構造

線路はレール、マクラギ、道床と呼ばれる砕石構造の層からなる軌道と、それを支えている路盤で構成されています。

軌道整備

レールの歪み

列車が安全に走行するためには、常に良好な状態に保つことが求められます。列車が日々繰り返して通過すると、線路は少しずつ歪みが生じるため、手入れをしなければなりませんが、お客さまに安全と快適な乗り心地を提供するためには、「ミリ」単位の精度での整備が求められます。

線路を直す仕事は、人力により、タイタンパーという器具を使用したり、線路上を走るように改良したバックホウを利用して、マクラギ下面の道床をつき固め、歪んだ線路の整正を行っています。

レール凹凸の拝見
レール凹凸の拝見
タイタンパーによる作業
タイタンパーによる作業
軌陸バックホウによる作業
軌陸バックホウによる作業
測定機器による検測
測定機器による軌道検測

機械施工

お客さまの乗心地を良くするための軌道整備は、高性能化された大型機械が作業の中心となっています。

マルチプルタイタンパー
マルチプルタイタンパー

マクラギ下の砕石をつき固め、レールの歪みを矯正することで線路の凹凸を改善し、列車の快適な乗り心地を維持する機械です。一般区間用、分岐区間用の2種類のタイプがあります。

バラストレギュレーター
バラストレギュレーター

マルチプルタイタンパーの作業後に、道床部の肩ならしや砕石のかき上げ,かき込み作業をはじめ、道床安定,転圧作業を連続的に行い、線路を安定させる機械です。

レール交換

レール交換の様子

レールは常に列車の車輪と接触しており、少しずつ摩耗したり、傷がついたりします。そのため定期的に交換が必要となります。レールの長さは基本的に1本25mで、それがつながって線路ができています。現在は、レールとレールを溶接し200m以上の長いレールにした、ロングレールが主流です。「ガタン、ゴトン」という継目部の振動を抑えて乗り心地を良くするだけでなく、騒音を少なくするメリット等もあります。そのため何百mもあるレールを一気に交換していく、スケールの大きい作業が行われます。

レール運搬・取卸し等
レール運搬・取卸し等
レール交換
レール交換
ロングレール交換
ロングレール交換

マクラギ交換

マクラギの様子

マクラギは、木やコンクリートでできていて、レールとともにはしご状に敷き並べられ、レールを押さえ、左右レールの幅を一定に保ち、列車の荷重・振動を道床に分散させる役目があります。破損や経年による腐食などが発生するので、定期的に交換をします。マクラギ交換はバックホウを使用した作業が主流で、グリッパーというハサミ型のアタッチメントを取り付けて、まるで人の手のように器用に作業を行います。

線路のマクラギ
線路のマクラギ
マクラギ交換(敷設マクラギ撤去)
マクラギ交換(敷設マクラギ撤去)
マクラギ交換(新マクラギ挿入)
マクラギ交換(新マクラギ挿入)

道床交換

道床の様子

日々の列車走行により砕石は、少しずつ摩耗劣化するほか、風雨等による影響で、土砂等が混ざってしまい、クッションの役目をしなくなることがあります。そのため、定期的に交換し線路を安定させる必要があります。道床交換は、レールを支える土台づくりとして、重要な仕事の一つです。

道床交換 (劣化した砕石の撤去)
道床交換 (劣化した砕石の撤去)
道床交換 (新砕石の投入)
道床交換 (新砕石の投入)
道床交換後の道床つき固め
道床交換後の道床つき固め

分岐器交換

分岐器

分岐器とは線路を2方向へ分けるための装置で、レールが交差する複雑な構造をしています。そのため線路では一番の弱点といわれており、交換の頻度が多くなります。その中で、分岐器全部を交換する作業は、最大の見せ場となります。大きな分岐器を多くの人数でわずか数時間で交換します。特殊な分岐器の場合は、数百人規模になる場合もあります。

分岐器
分岐器
分岐器全交換
分岐器全交換
特殊分岐器全交換
特殊分岐器全交換